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半人半蛇×青年

その他 碧の蛇王0
ラクルカント王国 - Kingdom of the Lacrcant -    西方をアリーティア海に面し、その他三方を果ても見えぬ砂漠に囲まれた王国。  国土のほとんどは荒涼とした荒野と白亜の砂漠だが、キリーヒ湖をはじ […](更新日:2017月10月22日)
その他 碧の蛇王1
 熱く乾いた風が吹き続ける乾季も半ばを過ぎた頃だった。  今年はもうないだろう、と神官たちが胸を撫で下ろした頃合いを見計らったかのようにそれはやって来た。青く澄み渡る空の向こう、一筋の灰色の雲がむくりと鎌首をもたげたかと […](更新日:2017月10月22日)
その他 碧の蛇王2
「我が名はラフィーガ。本来の名は伝統と威厳に溢れるそれはそれは美麗なものだが、いささか人間には発声しにくいのでな」  これならおぬしも呼びやすかろう。  そう続けた神は開口一番文句を言った割に友好的だった。  半人半蛇な […](更新日:2017月10月28日)
その他 碧の蛇王3
 その日、メドゥの元に眠りを運ぶ精霊はなかなかやって来なかった。  枕が変わったのもあるだろうし、何より昨日まで身を埋めていた狭くて固い箱とは雲泥の差の寝床がちっとも落ち着かない。神様の奉仕役になったからといって、メドゥ […](更新日:2017月11月3日)
その他 碧の蛇王4
 一番鶏が鳴く。高窓から差し込む光は床の上に美しい薄紅色の模様を描き、開いたばかりの瞳に触れる空気は清冽だった。 「………」  背後から聞こえてくる寝息は穏やかで目覚める気配は微塵もなく、あれほど頑なに拘束していた腕もど […](更新日:2017月11月11日)
その他 碧の蛇王5
 こうしてメドゥの予想とは少し異なる蛇神様との生活は幕を開けた。  ラフィーガ、と自ら名乗った神様は逸話通り神として相応しい要素を確かに持ってはいたけれど、基本的には気まぐれで知識欲旺盛で、総括すると幼くして聡明な子供の […](更新日:2017月11月18日)
その他 碧の蛇王6
 乾季とは雨が降らぬ季節のことを言う。だから、天を焼くほどの苛烈な太陽の光は当たり前で、カラカラに乾いた大地のひび割れも当然で、井戸の水位が下がるのもいつものことであるというのに。どうしてもメドゥは不安を拭いきれない。今 […](更新日:2017月11月25日)
その他 碧の蛇王7
 ラクルカント王国辺境の地、第七神殿周辺には相変わらず雨が降らなかった。まだ井戸は干上がらないし、噴水は絶え間なく水を撒き散らしているし、ナツメヤシも枯れていない。巡回するキャラバンによれば周辺のオアシスも豊かに水を湛え […](更新日:2017月11月26日)
その他 碧の蛇王8
「今なんと?」  正直に言ってしまえば、そのときメドゥが最も気にしていたのは果たしてこの胸の内の動揺が外に漏れてしまってはいないかということだった。  メドゥにとって感情を露わにしないことは重要な処世術の一つだった。たと […](更新日:2017月12月2日)
その他 碧の蛇王9
 結局、あれから神官長をはじめとした何某からメドゥへのお咎めが来ることは一切なかった。  他ならぬ神自身が奉仕役を連れ帰ったのだ。その意には背けぬと思ったのか、はたまたこれ以上神様のご機嫌を損ねるにはあまりにも不利益と悟 […](更新日:2017月12月2日)
その他 碧の蛇王10
 翌朝、目が覚めたメドゥは一人だった。  しばらく思考が追い付かないまま、ぼんやりと腹の辺りを掻く。霞んだ目をぐるりと一周しても布の海の中に異形の神はいなかった。あんなに寝汚い男が一体どうしたというのだろう。高い位置にあ […](更新日:2017月12月2日)
その他 碧の蛇王11
 白亜の宮殿を背景に鳥が囀り、冷たい水をなみなみと湛えた池には無数の蓮が薄紅色の花を開く。花の香りは穏やかに吹く風にのって広がり、極彩色の蝶や蜂を優しく誘う。どこからともなく聞こえてくるのは弦を弾いて作る天上の音楽。そこ […](更新日:2017月12月2日)

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