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#大将組版深夜の創作60分一本勝負

刀剣乱舞 本丸防衛戦開幕一刻前
 這い寄る春の闇が山の奥から降りてくる霞を食らって黒を深め、ただじっとりと息をひそめているような夜だった。  すべての部隊は大きな損害もなく無事帰還。刀剣男士たちは揃って夕餉を終え、各自風呂に入ったり、雑務をこなしたり、 […](2017年3月19日)
刀剣乱舞 猫も小判と夢うつつ(後藤藤四郎)
 後藤藤四郎はご機嫌だった。  その証拠につやつやと鼻は濡れ、針の先みたいな小さな爪は前足の丸みから出たり入ったりを盛んに繰り返していた。ふくふくと広がったひげ、極限まで細められた目。黄褐色にトラ柄を白で描いた毛並みは太 […](2017年2月22日)
刀剣乱舞 今生は邯鄲の夢なれど(信濃藤四郎)
 うつらうつらと眠気が頭の周囲を飛び交っている。こたつの奥まで突っ込んだ手足は温かく、背中には午後の日差しがたっぷりと当たっていた。  一枚板を切り出した天板の上に片頬を押し当てた信濃藤四郎の視界は狭い。床の間には日本水 […](2017年2月19日)
刀剣乱舞 この掌でできること(信濃藤四郎、後藤藤四郎、厚藤四郎、薬研藤四郎)
「あっ」  片手で割ろうとした卵は力の入れ具合を誤ったことにより見事に粉々に砕け散った。中からこぼれ出す半透明の白身は信濃藤四郎の掌を濡らし、半球状の黄身は湿った音を立てて作業台の上に落ちると見る見るうちにその形を崩して […](2017年2月15日)
刀剣乱舞 消失という史実(薬研藤四郎、信濃藤四郎)
※不穏です※ 「嘘つき」  燃えるような赤い髪を持つ兄弟刀は滅多にすることのない片目を眇めて相手を見下す仕草をしてからそう呟くと、ふいっと視線を逸らせた。  その矛先に選ばれた薬研藤四郎は呆気に取られ、思わずぽかんと口を […](2017年1月29日)
刀剣乱舞 お前の弟たちのことを教えてくれ(一期一振)
 梅の花も徐々にほころび、晴れやかな香気を漂わせ始めたある晴れた睦月の日のこと。  主の部屋に八つどきの菓子を運んできた一期一振が彼女から唐突に投げかけられた質問は極めて簡潔だった。だが、反して彼は返答に窮す。口元に指先 […](2017年1月22日)
刀剣乱舞 我ら戦場に生まれて戦場にて死す(厚藤四郎、薬研藤四郎、信濃藤四郎、後藤藤四郎)
 戦場に吹く生臭い風が土埃を舞いあげ、不快な塊となり、厚藤四郎の頬を撫でる。  見上げた空は鈍色の曇天で、今にも泣き出しそうな分厚い雲が地の果てまでも隙間なく覆っていた。傍には倒れた敵の骸が一体、二体、三体。刀装はすべて […](2017年1月15日)
刀剣乱舞 きるもきらぬも(信濃藤四郎、薬研藤四郎、後藤藤四郎、厚藤四郎)
「薬研兄さん!厚兄さん!」  飛び込んできた切羽詰まった声は同じ藤四郎の名を持つ兄弟の中でも取り分け小さな秋田藤四郎のものだった。思わず顔を見合わせた当の薬研と厚に一つ肩で大きく息をした秋田は信濃兄さんが…!と吐き出した […](2017年1月11日)
刀剣乱舞 晴れがましくハレて本日(信濃藤四郎、薬研藤四郎、厚藤四郎、後藤藤四郎)
 睦月が朔日。一年に一度のハレの日、明け六つ過ぎ。  本丸の大広間には続々と身支度を整えた刀剣たちが集まり始めていた。大晦日に羽目を外しすぎたのか欠伸を噛み殺す者もいれば、早々に眠りに就いたのか晴れやかに朝を迎えている者 […](2017年1月1日)
刀剣乱舞 タカラモノハッケン!(信濃藤四郎、後藤藤四郎、薬研藤四郎、厚藤四郎)
 いよいよ年の暮れも迫った師走のある日のこと。  朝餉のあとに告知された通り、今日は朝から刀剣男士たちによる本丸中の大掃除が行われていた。障子という障子を開け放し、押し入れを整理して欄間の埃をはたき、床はかたく絞った雑巾 […](2016年12月28日)

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